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秀明の子育て

実施場所
茨城県常陸太田市
内容
田植え 稲刈り 餅つき
水戸 / 稲作レポート

きっかけ

毎年一月に行事として餅つきをしており、十年以上になります。できることならもち米づくりに子どもたちに関わらせてあげたい、可能であれば田植えから収穫まで一貫して経験させたいと思いつづけてきました。

実現するためにはクリアする条件がいくつかあり、できることから始めようと各家庭でバケツでの稲栽培に取組みはじめました。

バケツを増やそうかどうしようかと考えているときに、生産者のSさんより水田があるから、そこに植えてはどうかと声を掛けていただきました。
 


理想的な圃場

早速水田を見に行かせて頂いた所、私達にとっては素晴らしく条件が揃った水田でした。
・ 場所が近いこと  ⇒ サークル拠点から直線距離で5キロ
・ もち米を植えたい ⇒ 昔からもち米用の水田として使われていた
・ 手作業でやりたい ⇒ 形が変則で機械が入れない
・ 小規模であること ⇒ 2畝ぐらい(25メートルプールぐらい)
・ よい自然環境   ⇒ 水がきれいな田園地帯
 


稲の生育について

稲作りの方針は無肥料、無農薬の自然農法です。苗も10年近く自然農法で作られてきたものを分けて頂きました。生産者の方が水の管理をしっかりしてくれたため、あまり草が生えず、除草に行かせていただいたのは年間通して2日間だけでした。

田植えのタイミングがよかったのか、非常に順調に成長しました。途中7月に見に行きましたが、参加者から濃い緑色で力強くまるで雑草のようだという感想がありました。

茎の太さは昨年の1.5倍くらいになり、稲刈りのときには普通の鎌では歯が立たず、ノコ刃のついた鎌でなければとても刈れませんでした。

収量も多く、昨年の1.5倍の90キロを収穫することができました。同じ水田で収量が増えたのですから、穂にたくさん実ったということになります。今年、来年と続けていくことがまた楽しみになってきました。
 


環境について

近年、生物多様性ということが環境指標の重要な要素としてとらえられるようになってきています。
小さな水田ですが、ザリガニやオタマジャクシ、蛙をはじめてとしてクサガメ、モクズガ二などの水生動物、目の前の用水路にはタニシ、カワニナ、シジミなどの貝類、絶滅が危惧されているゲンゴロウの幼虫など水生昆虫も多くみられました。

これら小動物や昆虫とのふれあいは、もちろん子どもたちは非常に喜びますが、大人も幼少にもどったようにいきいきとしていました。ペットショップや水族館ではなく、純粋な生態系の中でたくさんの生き物に触れることはとても重要なことだと思います。
 


周囲への影響

周囲には慣行農法の農家の水田が広がっています。
近隣の農家の方々は、次の世代への農業の継承と自然に近い昔ながらの稲作への思いを持っておられます。子どもたちといっしょに田植えをしているときなど、通りすがりの方が興味を持って声をかけてこられ、非常によい活動をされていますねと感心されることがありました。

また、最初の年から、できたお米は天日干しにしたいと思い実現しました。天日に干した稲穂を見て、農家の方が、できれば私たちもそうしたいといっていたということでした。
一昨年は、稲刈りが終わったあとの水田はきれいに何もない状態でしたが、昨年はあちこちに天日に干されたお米が見られ、小規模であっても自分達の活動が周囲に影響を与えていることを実感しました。
 


バケツ稲

ところで最初に取り組んだバケツ稲ですが、こちらも自然農法の水田の土を分けて頂いて育てました。さすがに水田ほどの勢いはありませんが、元気に成長して収穫することができました。
今までは稲作などとても難しくてできないと思っていましたが、決して無理難題ではないということ、そして非常に親しみをもつことができました。

 


まとめ

収穫したお米は、今年も餅つきをして頂きました。
高齢者の経験と知識に基づいて大人から幼児までが役割をもって一緒に取り組めるのは今となっては稀な機会ではないかと思われます。

みんなで自然農法のもち米を堪能し、そして強力な自然エネルギーをもらったように思います。日本人にとって餅つきと稲作というのは非常に重要な文化であることを改めて感じるとともに、今年もより多くの参加者が増えるように努力していきます。