秀明自然農法の『イロイロ』を、様々な角度でご紹介します!

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秀明自然農法の野菜の品質調査結果
秀明自然農法の野菜の品質調査結果
秀明自然農法の野菜には、 硝酸態窒素がほとんど含まれておらず、 ビタミンCの含有量が高い!
<目次>
1 はじめに 
2 過剰な窒素化合物は、地球環境に悪影響を及ぼしている 
3 過剰な硝酸態窒素が私たちの健康に及ぼす悪影響 
4 秀明自然農法の野菜は硝酸態窒素の含有量が少ない! 
5 秀明自然農法の野菜はビタミンC含有量が多い! 
6 まとめ 


1 はじめに
現在、地球上の土壌、地下水、そして、野菜が、硝酸態窒素 などの過剰な窒素化合物で汚染されています。 これは、慣行農業における化学肥料の過剰な投入、家畜の糞尿による地下水汚染などが主な原因といわれています。
この過剰な窒素は、地球環境に対する大きな負荷であり、さらに、人や家畜の健康にも重大な影響を及ぼす危険性も指摘されています。
現在、日本においても、農林水産省や農業試験場などが、野菜中の硝酸態窒素を減らす取り組みを行っています。

野菜中の硝酸塩に関する情報 (農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/syosanen/index.html

秀明自然農法は、農薬や肥料 を使わず、自家採種した種を用いて作物を栽培しますが、実際に、秀明自然農法の野菜の品質はどうなのか? 硝酸態窒素はどれくらい含まれているのでしょうか?

そこで、数年前から、野菜の安全面の指標として硝酸態窒素を、栄養成分(抗酸化物質)の指標として ビタミンC を、測ってきました。
その結果、秀明自然農法の野菜は、慣行農法の野菜と比較して、硝酸イオンの含有量は非常に低く、また、ビタミンCの含有量は慣行野菜と比較して高い傾向があることが分かりました。

秀明自然農法の野菜は、美味しいだけでなく、品質や安全性の上でも優れている、ということがいえるでしょう。
※ 枯草、落葉、作物残渣などから成る自然堆肥は使用することがあります。自然堆肥は、肥料分としてではなく、土壌の保温性、保水性を高め、土壌を固まらせないことを目的としています。


2 過剰な窒素化合物は、地球環境に悪影響を及ぼしている
自然界での窒素固定は、ある種の細菌、放線菌、藍藻、メタン菌などによって行われます。
また、稲妻の放電や紫外線などによって生成した窒素酸化物が雨水に溶けることで、土壌に固定される場合もあります。
ところが、100年ほど前、ドイツにおいて、食糧増産のため、空中から窒素を採る工業的なアンモニア合成法(ハーバー・ボッシュ法)が発見されたのを機に、化学肥料が開発されました。
現在では、大量の窒素が工業的に地球上に固定化されており、その量は年々増加の一途をたどっています。
窒素は、自然界でさまざまな形態(硝酸、亜硝酸、アンモニアなど)に変化し、土壌,大気,水,作物,食料を経由して地球規模で循環しています。
そのため,過剰な窒素は地下水を硝酸で汚染し、酸性雨の原因になり、湖沼などの富栄養化現象を引き起こしてしまいます。さらに、ある種の窒素化合物はオゾン層破壊の一因になったり、温室効果ガスとして作用することも分かってきています。

 このような過剰な窒素は、地球規模の環境汚染のみならず、人間の健康にも 深刻な影響を及ぼしており、呼吸系の病気、心臓病、および癌などに関係している可能性も指摘されています。

このような環境面および健康面の両面の問題を解決するために、各国は「国際窒素会議」を開き、窒素酸化物の適正な管理を目指そうとしています。

→ 国際窒素イニシアティブhttp://initrogen.org/
日本のように食料自給率が低く、多くの農産物等を輸入に頼っている国では、これらの生産に使用された『水(バーチャルウオーター)』と同時に大量の『窒素』を輸入しており、窒素過多の状態となっています。
 さらに問題なのは、畜産地帯で毎日大量に発生する牛、豚、鶏の糞尿を原因とする地下水の汚染。過剰な窒素が湖沼や河川、海洋に流出すると、富栄養化し、生態系が崩れ、様々な生物の生育に悪影響を及ぼしてしまいます。
 このように、グローバル化し、大量生産・大量消費の経済の中では、窒素の面からも環境や健康に大きな悪影響を与えている といえます。

【国内農地における窒素過剰問題】
農畜産業の盛んな地域の土壌ほど窒素過剰状態(肥料の大量施用による)の傾向

糞尿堆肥(有機質肥料)を大量に農地に投入
⇒ 土壌の窒素過剰
⇒ 地下水汚染

3 過剰な硝酸態窒素が私たちの健康に及ぼす悪影響
硝酸態窒素は、通常は、「硝酸イオンNO3- 」に金属が結合した硝酸塩の形で存在していますが、このうちNの部分を硝酸態窒素といいます。
植物は主に硝酸イオンを根から吸収して生育に利用していますが、植物の生長をより促進させようとして使い始めたものが硝酸塩を含む窒素肥料(化学肥料、有機肥料)です。

現代の農業では、窒素肥料を大量に使用することによって収穫量は増加しましたが、やがて窒素が過剰になり、地下水が硝酸態窒素に汚染されたり、葉物野菜の中に大量の硝酸態窒素が残留するといった問題が起こってしまいました。


野菜に残留する硝酸態窒素の量は、肥料以外に栽培条件(土質、日照、品種 等)によっても、影響されます。吸収される硝酸イオンなどの量が多すぎたり、日光が十分に当たらなかったりすると、吸収された硝酸イオンがアミノ酸、タンパク質に合成されずに、そのまま植物体中に残留してしまいます。

硝酸態窒素は、次の2つのルートによって私たちの体内に入ってくると考えられています。
1つは、硝酸態窒素の多い野菜からのルートで、もう1つは、土壌に浸み込んだ硝酸態窒素が地下水などに浸透し、飲料水等により体内に入ってくるルートです。主な汚染源は、窒素肥料、畜産廃棄物、生活排水などです。

過剰の硝酸態窒素が体内に入って来た際に、健康に及ぼす影響としては、メトヘモグロビン血症 と 発癌性物質ニトロソ化合物の生成 の2つが挙げられます。
硝酸塩が含まれている野菜を食べると、口内細菌などによって還元され、亜硝酸ができます。
それが赤血球中のヘモグロビンと結合すると、メトヘモグロビンに変わってしまいます。メトヘモグロビンは酸素を運搬できないので、細胞が酸欠状態になってしまいます(メトヘモグロビン血症)。
硝酸態窒素が多い水でミルクを作って乳児に与えていると、血中のメトヘモグロビンが多くなり、チアノーゼ状態 (酸素が欠乏して皮膚や唇が暗紫色になった状態) になってしまいます。欧米で赤ん坊が20数人も亡くなった「ブルーベビー事件」は、裏ごししたホウレン草を離乳食として食べさせたことが原因でした。
この事件を機に、EUは、野菜の硝酸イオンの残留濃度基準(10~3月)を 3000ppm未満 と定めました(表1)。 しかし、日本は残留濃度基準を定めていませんので、20000ppmを越えるような危険な野菜も、百貨店やスーパーで平気で売られていたことがあるそうです。

もう1つの悪影響は、ニトロソ化合物(ニトロソアミン) という強い発癌性物質ができてしまう、という問題です。ニトロソアミンは、亜硝酸と二級アミン(肉や魚などに多く含まれている)が反応して生成します。この生成反応は酸性の条件で起こりますが、胃の中はニトロソアミンを作るのに打ってつけの条件なのです。

ただし、自然界は実にうまく出来ていて、ニトロソアミンを生成する反応を止めてしまうものがあります。それが、ビタミンCです。ビタミンCがあるところでは、ニトロソアミンは作られません。
そこで、ビタミンCがたっぷりで、かつ、硝酸態窒素の少ない野菜を選ぶことが大切になります。
次週は、秀明自然農法の野菜の調査を報告いたします!
「自然」という言葉
私が「自然」という言葉を知ったのは何時だったのか、それはもう覚えていません。きっと物心つく頃には、「自然」という字は書けずとも、言葉そのものは知っていたと思います。ですがこの「自然という言葉の意味」を知ったのは、もう二十二、三歳にもなった、大阪シニア自然大学でのカリキュラムの中でのことだったと思います。
 「自然とは、ネイチャー(自然物)ではなく、ナチュラルです。」ここまでならごく普通のことですが、そこで教えて頂いたことは
「自然」とは、「自ずから然らしむる」(おのずからしからしむる)という意味です。
 そんな言葉始めて聞いたよ、なんだそれ?と僅かに思った気がします。

 当時の私の様に、自ずから然らしむるって何?と思われた方のために念のため、例をあげれば、
 植物が発芽し、育ち・花を咲かせて種子を結ぶ。水が溜まる場所には、水性の植物が生え、水の溜まらない場所には陸生の植物が生える。更にその陸生の植生は年数が経ち、命が繰り返される中で、最終的には森となる。こういった事柄全てが、自ずから然らしむる、です。
 
私はそれからずっと、この言葉を思い出さずにいた気がします。
では何故それを思い出したのか?それは結構最近のこと、自然農法とは何か?を深く考え・取り組み、自分なりの答えを見出そうと努めている最中、圃場の植生が自ずから変化し、その流れの中で、野菜が育つ環境に然らしんだ姿を見たときのことです。
荒地のような場所に、スギナやヨモギが生え、それが生えて枯れてを繰り返すうちに、植物の種類は自然と変化する。そのうちスズメノエンドウやカラスノエンドウといった草が生え、その後に生えてくるオオイヌノフグリやホトケノザがスムーズに育つようになった頃には、野菜がスムーズに育つようになる事実を見たときのこと。
そしてこの植生の変化は、自然でありながら、ものすごく明確なパターンを持っていました。

この、自ずから然らしむる姿から学び、それを尊び農を行う、この活動そのものが自分に見えた自然農法だったのです。
自然という言葉は決して「無肥料・無農薬を示した言葉ではなく、自ずから然らしむるを示した言葉」

ちなみに、この自然という字を「しぜん」と読むようになったのは、英語のネイチャーに対して、どの日本語を当てはめようかと検討した結果で、それまではこの自然という字は「じねん」と読み、自然法爾(じねんほうに)や、親鸞は阿弥陀如来の誓願を自然(じねん)と呼ばれた等、とても奥深い言葉であることが感じられます。