『世界中の人類の食物の中で一番良いのは日本食で、これが一番栄養が多く、従って長生きが出来るのであります。(中略)日本食こそ「世界一の栄養食」と思うのであります。そのわけは、霊気が強く、血液を濁らせる点がまことに少ないからであります。』(岡田茂吉師御論文)
Ⅰ.和食は世界無形文化遺産
平成25年(2013年)12月、 「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。 伝統食である日本食(和食)が、日本人から次第に離れて行中、世界遺産へ登録されたことは大きな意味があることだと思います。親から子へと、伝承されていく日本食(和食)の文化を守っていくことが、私たちの健康と幸せに繋がっていくのです。
日本スポーツ振興センターが 2010 年に実「世界遺産」登録でも絶滅寸前の和食施した「児童生徒の食生活実態調査」では、うなぎや焼き魚、煮魚、あえもの、刺身などが「嫌いな料理」の上位を占めている一方で、「好きな料理」の上位10 位中、和食は2 つしか入っていません。
Ⅱ.和食(日本食)の特徴
『すべて大自然の気候風土そのままにそって行くのが一番いいんです。』(御論文)
日本食は、日本の四季に沿った、自然の恵みを頂く食事です。
☆ 基本はご飯・味噌汁・漬物
日本の食卓の基本、ご飯・味噌汁・漬物・・・しかし、今の栄養学は、これでは栄養バランスが悪いと考え、基本の主食よりも副食にあたるおかずを重視する傾向にあります。幅広く栄養を取る事を最も重要とし、炭水化物はむしろ控えないと肥満の原因になるという考え方も広がっています。
この考え方は、 今から60年ほど前の戦後の栄養教育が元になっています。それで日本人が本当に健康になっていればよいのですが、その逆になっているように感じます。私たちが活動する上でのエネルギー源となる栄養素は、炭水化物・脂質・タンパク質です。その中でも最も重要な栄養素は、体と脳のガソリンともいえる炭水化物です。
体内で消化分解され、体への負担も少なく吸収されます。タンパク質は体を作る上で大切な栄養素ですが、消化や吸収に手間がかかります。内臓への負担も大きく分解するのに強い酸性の消化液…胃酸で4時間ほどかかります。タンパク質中心の食事は、内臓の機能を低下させる原因にもなります。
脂質については、さらに手間取り、 分解するのに6時間ほどかかります。体への負担を考えると、炭水化物を中心とした食事の方が人(特に日本人には)には合っていると言えます。
3大栄養素、炭水化物・タンパク質・脂質は、和食の基本であるご飯・漬物・味噌汁でかなりの部分がまかなえます。特に重要なのはご飯です。ご飯には3大栄養素すべてが含まれています。そしてタンパク質をより多く取る為に、大豆から作られた味噌を使用した味噌汁・・・これに野菜を多めに入れれば最高の野菜料理です。
さらに漬物を加えより多くの野菜を摂取できます。野菜も生野菜を取るより、温野菜の方が体にもよく、摂取量も多くなります。また、味噌汁・漬物で野菜を取ると生野菜を食べる場合には必要なドレッシングやマヨネーズを使用せずに済みます。そのため余分な油分を抑える事ができます。
『穀類の栄養が主であって、副食物は従である。むしろ、副食物は、飯をうまく食うための必要物である』
『米は七分つきが一番良い』(御論文)
と岡田師は説いています。一日の食事の内、2回をこのご飯・漬物・味噌汁にする事で偏った食生活を正すことができます。一人暮らしや共働きで忙しい方でも、この食事なら可能だと思います。普段はご飯・漬物・味噌汁で過ごされることが健康への近道です。
Ⅲ.和食が健康に良いわけ
1、主食、主菜、副菜が揃っていて栄養バランスが良い
理想的な献立としてよく聞く言葉が、“一汁三菜”。これにご飯と漬物が加わり、日本の伝統的な献立となります。汁は野菜や海産物、豆腐などが入った味噌汁や潮汁、漬物は塩漬けや糠を使った糠漬け。三菜はご飯をおいしく食べるための副菜で、数多くの品目を取っていることに気づきます。また、汁物は食べ過ぎを防ぐことができるメリットもあります。
2、低脂肪、低カロリー
伝統的な和食は、米を中心とする穀類、野菜、魚介類と海藻が主な食材。肉食文化が強い欧米に比べると、脂肪分が少なくカロリーが低い食事が多いのも和食の魅力のひとつです。
3、素材の良さを活かした薄口の味付け
和食のおいしさのひとつに、“旨味”があります。昆布や鰹節でとった出汁を使い、さまざまな料理に活用されますが、旨味に加え調味料を減らせるというメリットもあります。
4、生の食材を食べる
食材の栄養素を壊さずに食べるためには、生で食べるのが一番です。生の魚をそのまま切って刺身にするのも、和食独特の文化と言えるでしょう。また、生卵なども海外ではほとんど食べられることはないようです。
5、発酵食品が豊富
味噌や醤油などの調味料は免疫力や消化能力などを高めるために有効な“発酵食品”です。炭水化物の消化を促すための酵素を豊富に含みます。味噌には何千もの成分が含まれ、栄養価も非常に高く、がんや脳卒中の防御、美肌効果があると言われています。
Ⅳ.和食の代表的な食材3つ
1、お米・・・日本食の主食である“米” 。エネルギーの元となる炭水化物はもちろん、ビタミンやミネラル、食物繊維など豊富な栄養素が含まれています。糖質制限ダイエットなどでご飯を食べない人も増えているようですが、極端な食事制限は健康的とは言えないでしょう。
2、納豆・・・発酵食品である納豆は、“肌がキレイになる”“動脈硬化を予防する”“免疫力を高める”などさまざまな効果があることから、毎日でも摂取したい食材です。
3、海藻・・・わかめや昆布をはじめとした海藻類は多くのミネラルを含みます。これほど海藻を食べるのは世界的に見ても日本人ぐらいらしく、もし海藻が苦手だという場合には、料理の出汁として使ってみてはいかがでしょうか。
世界無形文化遺産に認定された和食。
『世界中の人類の食物の中で一番良いのは日本食』(御論文)
岡田師がこう説いていたように、私たち一人ひとりが今一度日本食の良さを見直し、多くの方へ伝えていきたいと思います。