連作

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Continuous Cropping 自然農法における「連作主義」について

自然農法では、これまでの農業常識とは少しちがった、ユニークな視点で連作を捉えています。
慣行農法では、同じ作物を繰り返し育てる「連作」は、土壌の疲弊や病害虫の増加を招くとして敬遠されてきました。しかし、自然農法では、これをむしろ土と作物の調和を深める営みとして重要視しています。

自然農法では、「自然順応」の精神に基づき、土と作物が繰り返し触れ合うことによって、互いに適応し、育ち合う関係が生まれると考えます。

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岡田茂吉師は、次のように説かれています。

『作物を作れば作る程土は良くなる。人間で言えば働けば働く程健康を増すのと同様で、休ませる程弱るのである。(中略)土壌は作物の種類によって、その作物に適応すべき性能が自然に出来る。』

この考え方は、土にも感情と意志があるという視点に立っています。

『土や植物にも意思、感情があるという事です。だから土を愛し、尊んで、そうしてできるだけ穢さないようにするという事が根本なのです。』

このように、土と作物との関係を、単なる生産性ではなく生命同士の対話として捉えるのが自然農法の特長です。

 

Natural Power X and Continuous Cropping 自然力Xのはたらきと連作の効果

自然農法では、肥料や農薬に頼らずに作物を育てる根源的な力として「自然力X」が重視されます。

『自然力とは、日、月、土、即ち火素、水素、土素の融合によって発生したX即ち自然力である。』

この「自然力X」は、目には見えないが確かに存在する生命の力として、土と作物の関係をつなぎ、健やかな生育を支えます。連作を通じて土と作物がなじみ合い、この自然力がよりよく働く環境が整うことで、

  • 土壌の中の微生物や環境がその作物に合うように変化し、
  • 作物自身もその土地の条件に適応していきます。

結果として、病害虫に対する抵抗力が高まり、健やかな成育が促されます。

自然農法における連作は、単なる農法技術ではありません。それは、自然の摂理を受け入れ、感謝し、共に歩む営みそのものです。そこに込められた岡田茂吉師の教えは、自然と人間の関係性を見直し、未来に希望の種をまく大切な指針となっています。しかし、経済的な事情や土地の関係上、連作をしたくてもできない場合もあるかと思いますので、できる方は連作に取り組んでいかれることをお勧めします。

自然の力にゆだね、土と作物とともに生きる――
その一歩が、きっと豊かな実りをもたらすことでしょう。

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