【秀明自然農法との出会い】
生子さんは代々続く農家の家に生まれました。親戚に田んぼを貸していた時期もありましたが、平成5年に母と共に1反6畝の田んぼで秀明自然農法を始めました。里芋や玉ねぎなどの野菜も育てながら少しずつ圃場を広げていきました。夫の晴彦も自営業の傍ら米作りに協力してくれ、家族全員で自然農法に取り組んでいます。
【自然から学んだこと】
子どもたちも小さい頃から畑や田んぼに親しみ、自然と触れ合うことを通して育ちました。いろいろな苦労があっても畑に行くと心が癒やされます。草取りは座禅の修行のようで、無心になって心が浄化されるのです。
近所の農家から「農薬を使うと体調が悪くなるから米を作ってほしい」と頼まれ、耕作面積が一気に5町歩に増えました。広い田んぼで草を抑えるため、堆英明さんの助言を受けながら深水管理の技術を取り入れました。試行錯誤を重ねる中で失敗もありましたが、稲の成長や環境の変化から多くを学びました。秀明自然農法の農地を拡大したいという思いがあり、夢の中でも草取りをしている時がありますが、無除草栽培が成功すれば地域に拡大することができるかなと思って励んでいます。
長年続けてきたことで、晴彦さんは苦手だったカエルにも驚かなくなり、自然と共にある生活に心が馴染んでいきました。今は次の世代である娘が農業を手伝い始め、家族での挑戦が続いています。
また、地元では学びの場として自然農法ラーニングプログラムを開催し、多くの参加者がそれぞれの地域で実践を始めています。マルシェでは食と農に関心のある人々と出会い、共に地域を盛り上げる仲間が増えました。
【メッセージ】
先祖が守ってきた農地を受け継ぎ、これからも秀明自然農法の田んぼを広げていきたいと思っています。味の良さを理解してくれるお客様も増え、年数を積んだお米を選んでくださる方が多くなりました。
そして、自宅を改装して「穂々笑カフェ」を開きました。秀明自然農法の米と野菜を使い、訪れる人にそのおいしさを感じてもらう場所です。食べたいものを選べる楽しさがあり、「優しい味」「癒やされる空間」と喜ばれています。
これからも、農業と食を通じて地域に笑顔と健康を届けたいです。自然に寄り添いながら家族と共に歩み、次の世代へつなげていきます。